寒い土地や暑い土地、乾いた砂漠や雨が沢山降る地域など、様々な条件に順応しながら人類は地球上に存続してきました。私たちは生きるために、例えば栄養力のない土壌にはサツマイモを植え、寒冷地では麦類やジャガイモを育てて生きる糧を得ます。そして収穫が終わり新たな生産に移る際に、残渣を食し土地を潤すために豚を飼います。こうして大地の恵みを守りながら、動物性たんぱく源を得る術として食肉文化が生まれました。しかし地域によっては動物皮を食さない食肉文化もあります。そこでは副産物として動物皮を得て、皮を革になめす産業が形成され、靴やバッグなどで消費する資源の循環に成功して来ました。
今、地球上の様々な気候変動や社会格差などの課題に直面する私たちは、人と自然と環境の負荷を減らしながら、古より受け継ぐ大切な人類の営みを守り繋げなければなりません。一般社団法人やさしい革は、4つのゼロを定義し、その約束を守り実行するために3つのプロジェクトを立ち上げ、やさしい革のある暮らしの実現に向けて行動してゆきます。
山口 明宏 Profile
墨田区優秀技能者
NPO法人日本エコツーリズムセンター世話人
全日本ピッグスキンタンナーズ工業組合理事
全国皮革振興会理事
農林水産省ジビエ利活用コーディネーター
山口産業株式会社 代表取締役社長